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Asanaのタスク依存関係を使ってみたら、残業時間がなくなっていた話

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目次

    はじめに

    はじめまして、FKです。
     1. 情シスで主に業務システムに関わる仕事と
     2. 販売管理や「月次決算業務」を行うミドルオフィス部門を兼務しています。

    趣味は色々ありますが、最近は週末に飲む冷えたビールが好きで、新しいビールを飲み比べてお気に入りを見つけるのを楽しんでます。あまり冷やさないビールも、そういうものだと受け止めて味わうのも好きです。
    さて、お仕事の話です。業務やプロジェクトでMonday.com、Backlog、Redmineなどのタスク/プロジェクト管理ツールを利用していますが、今回は、ミドルオフィス部門のチームで、Asanaの機能を使って仕事のやり方をちょっとだけ変えてみてたら、月初5営業日の残業が多くて15時間だったものが数時間に激減して、絶対的に無理と思い込んでいたタスクの完了が半日以上早まった話をご紹介します! 


    Asanaについて

    誰でも簡単に使えるワークマネジメント プラットフォームです。チームにおけるタスク管理やプロジェクト管理に必要な機能のすべてをクラウドで提供するだけでなく、 豊富な外部サービス連携により、企業や組織のあらゆる仕事を Asana 上で管理します。

    Asanaというツールをご存知ですか? これは、プロジェクト管理やタスク管理の上位概念で、ワークマネジメントツールと定義しているのが特徴です。もう少し詳しく知りたい方はこちらを参照ください。
     参考:ワークマネジメントツールAsanaとは

    月次決算業務とは

    ここでいう月次決算処理業務は、クロス・マーケティング社の
      売上を確定し、
      原価を確定し、
      粗利を確定し、
    会社単体での業績を集計し報告するまでの一連の作業群と定義してます。月末締めで数字を集計するので、作業は鬼のように月初に集中します。クロス・マーケティング社の事業部で発生した売上伝票や支払請求書等の伝票を集約して、会社の営業活動の成果を数字でまとめていくイメージで、最終的には他のグループ会社全体の業績に集約されます。この月次決算業務の部署内の定形業務をAsanaで管理しています。 

      事業部門 ▶ 月次決算業務のお仕事はココ! ▶ 経理部門

    ちなみに「売上締め」は毎月第2営業日、「原価締め」は第4営業日、「粗利確定」は第5営業日をマイルストーンに業務を組み立てています。


    月次決算業務のタスクの特徴

    他の月次決算業務のタスク運用の特徴を下記にまとめてみました。

    • タスク数は毎月250個、4人で運用
    • 第1営業日は全タスクの25%、第3営業日まで50%のタスクが集中
    • タスク一つあたりの実作業時間は、数分から30分以内が主流

    同類作業を同時並行的に進めなければならないことも多いため、タスクを適切な単位に分解し、チーム内で負荷分散させ、進捗状況が一目でわかるようになりました。また、担当者の入替えや引き継ぎなどもやりやすくなり、作業単位で業務が見える状態になっています。そんなこんなで、月次決算業務のチームは、短期集中型のタスク消化に奮闘しながら月末月初を乗り切っています。

     参考:Asanaのケーススタディで、部署の取り組みが紹介されています!


    先行タスクが終わらない・・・

    実は、いろいろ奮闘している中で、少し困ったことがありました。前のタスクの完了が確認できない状況になるのです。
     「私の作業開始は、○○さんのあの作業の後だけど、予定の13時になってもまだ作業してるっぽい・・・。」
    これまで、タスクの期日の多くは「日」単位で行っており、"暗黙的に○時位までには終わっている” という感覚で作業をしていました。作業の開始には、他のタスクの完了が必須条件になっているものが多く、一日あたりのタスクが数十件あるので、予定通り進んでいるかどうかは非常に重要です。
    例えば、13時までには終わっているはずのタスクで、時間を過ぎても未完了を匂わせるチャットのやり取りが続いていたり、連絡が貰えなかったりするのです。いろいろあるだろうなと勝手に事情を想像したり、他の作業や会議をこなしながら、前のタスク完了を待っていることもありました。私自身も予期せぬ事情で作業が遅れたり、遅れを連絡するのことを忘れてしまい、迷惑をかけたこともありました。・・・申し訳ありません。

    やはり、冷静に客観的にみても、この状況は非常によくなかったです。
    この状況というのは、遅延そのものを指すのではなく、進捗状況が伝わっていないことです。 これは何とかしないといけないという気持ちだけ先に芽生えたので、コミュニケーションツールのAsanaを使ってなにかできそうかなと軽く信じて、やってみたことを整理してみます。

    ①タスクの期日に時刻も設定する

    Asanaのタスクには「期日」という項目があるので、文字通り「締切日」を設定することができますが、時刻や開始日時も設定できるので、タスクの特徴に合わせて設定します。当日中に作業終了が目標のタスクが多かったので、「締切時刻」設定を必須にしてみました。とりあえず、自分の作業目安時間と「締切時刻」を設定しましたが、自分のタスクだけ設定しても意味がないなとすぐに気がついたので、他の人のタスクにも日時を設定してもらうように上司経由でお願いしました。ここは、非常にあっさり協力してもらえました。

    ※ちなみに「Monday.com」は 期日(日時を一つ選択)とタイムライン(期間の設定)が別項目で用意されているので、使い分けないといけないようです。このような違いは提供するサービスに依存するので好みが分かれそうです。(私調べ)

     参考:Monday.com とは

    ②タスクの依存関係設定も便利

    時刻設定の他にやったことは、Asanaのタスクの「依存関係」設定です。
    簡単にいうと、「後続タスク」 もしくは「先行タスク」を設定することで前のタスクが終わったら、次のタスク担当者に完了通知がされる仕組みです。自分のタスクを完了にするだけで、後続タスクの担当者や関係者に通知されます。後続タスクの担当者は完了通知を確認したら、受信トレイから該当のチケットを簡単に探せますし、その場で「いいね」を押下すると実行者に通知される仕組みを活用する、というのがおすすめです。
    他のチャットツールで連絡することなしに、タスクに関連するコミュニケーションはAsana内で完結することができます。使うツールもアクションも非常にシンプルです。別フロアで仕事をしているとか、リモートワークにも向いてますね。

    fk_2307_task

    ③タイムトラッキング機能を使ってみた

    22年11月にリリースされたタイムトラッキング機能は、タスクに費やす推定時間と実際にかかった時間を記録できる機能です。
    Aasanのコミュニティーフォーラムや、Asanaのミートアップに参加したときに知りました。便利です、という声を信じて、特に深く考えずに、まずは一人でひっそり使ってみました。

    新機能!Asana のタスクで時間を記録しよう

    fk 2307 timetracking

    気づきと成果

    この取り組みの結果、いくつかの気づきと成果がありました。

    1. 作業時間の目安がわかる
    2. 推定時間の再設定と、時間単位の期日目標が欲しくなる
    3. 関連タスクの「今の」状況を知りたい、知らせたい
    4. 結果として、残業がなくなって6時間も納期が早まった

    1. 作業時間の目安がわかる

    時間実測後は、
    「第2営業日の午前中に完了させる」から、
    「第2営業日の午前の1時間以内に完了する」のように、時間に対する情報が具体化され、他の業務の時間調整がしやすくなりました。
    まず"今"を知ることは、タイムマネジメントの一歩目だと実感しました。


    2. 推定時間の再設定と、時間単位の期日目標が欲しくなる

    実測時間と推定時間と比較して、推定時間の再設定をしました。推定時間との差分や、納期遅延の場合は、なぜそうなったのか分析をして、各タスクに分析内容をまとめておくようにしました。その場でやるのがおすすめです。
    後日、その分析をもとに改善が必要なタスクの完了予定時刻や作業そのものの見直しを行えるようになりました。


    3. 関連タスクの「今の」状況を知りたい、知らせたい

    タスクの依存関係設定により、「完了」通知は関係者へ通知されていましたが、開始タイミングのお知らせや他業務で中断したことも、コメント機能を使って共有してみることにしました。
    -作業開始します
    -作業中断します
    -締めボタン押します 
    タスクのコメント欄に投稿すると、チーム関係者から「いいね」をもらえます。みたよ、わかりましたよ、という反応ですね。
    基本的には、前後のタスク担当者間の信頼を元に仕事を進めるのが理想ですが、このミニマムなコミュニケーションによって、私自身にも自然と安心感が生まれました。やっぱり、「反応」は嬉しいです。欲しがってしまいます。
    最近、この手動のコメント投稿を自動化する設定をしました(してもらいました)。月次決算業務で使う「月次ステータス」を作成し、「作業中」「作業再開」を選択すると、コメントが投稿される設定です。また別の自動化設定では、期日までに完了にならないタスクの状況を報告するように催促する設定を入れてみました。下記の画像は、作業が遅れている私がAsanaに詰められて、納期予定をお知らせしているところです。 fk_2307_taskautomation

    4. 結果として、残業が(少)なくなって6時間も納期が早まった

    各々のタスクの締切時刻の設定のために、目安作業時間を設定をし、(必要に応じて納期調整をし)、次のタスクへのパスが遅延なく行われた結果、タスク間のアイドルタイム削減、チーム全体の作業時間の短縮が、納期の早期化に繋がりました。狙った効果と言いたいところですが、正真正銘の ”THE 結果論”です! 一つ一つの作業時間を早めることではなく、タスクとタスクのつなぎ部分のムダを省いて納期スピードを上げるという発想はなかったので、正直驚きました。
    個人的には、月次作業のために23時まで残業したり、早朝7時から作業をすることがなくなりました。定時ピッタリで退勤することはまだできていませんが、ほぼ業務時間内に完了しています。「月初は私はめちゃくちゃ忙しい」と周囲が気遣ってくれるような雰囲気を醸し出したりしていましたが、そういう変な圧は封印しようと思います。ちなみに、最も影響が大きかったのは、月初第3営業日16時が納期だったタスクを同日10時までに引き上げたことです。6時間も早められたことは、次のタスク実行者(グループ会社へ請求書を発行する)の作業も早めることができ、経費精算業務に時間的余裕を作れたと思います。経理、営業事務系の方々は、どこの会社でも月末月初はみんな忙しいんですよね。貢献ポイントは高めの成果だったと思います。


    さいごに

    Asanaを使い始めたころは、ざっくりと捉えていた作業群を目的に合わせて細分化したのでタスクの数が増えて見えるという変化はありましたが、作業単体に変化はなく、個人的には使用開始直後に大きな違いやメリットはあまり感じませんでした。また、ツールをちゃんと使おうとか、使いこなすとか、具体的なイメージもありませんでした。
    しかし、Asanaの機能そのものや便利さを探りながら、タスク間の連携に着目したりちょっと運用をかえたことで想定以上の成果を得られたのは非常にコスパが良かったです。少々無計画に始めた取り組みですが、適切な単位でのタスク分散化とシームレスなタスク連携には、時間設定とコミュニケーションはセットで業務設計するのが重要なポイントだなと実感しました。

    SaaS型のツールはどんどん良い機能が生まれていますし、この集合知の価値に対価を払っているわけですから、新しい機能もどんどん活用してみなければ、もったいないです!まずは使ってみて、機能に合わせて業務設計して運用することを繰り返し、結果としてGOOD体験が増えたらいいなと思います。

    私たちは積極的に採用活動をしております。
    https://recruit.cross-m.co.jp/

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