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無線LANのDFS機能について調査

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目次

    不具合申告

    こんにちは。CMGのインフラ担当MOです。 8月の某日、社内の利用者から無線LANが利用できないとの申告がありました。当社の無線LAN環境は5GHz帯、2.4GHz帯の周波数帯をSSID別に分けて運用しております。 分けている理由としては、端末によっては、5GHz帯が未対応の端末も考慮してそのような運用を行っております。 今回の不具合事象としては、特定のSSIDのみ利用不可(パソコンからみると、2.4GHz帯のSSIDだけ利用可能、5GHz帯のSSIDは、パソコン上では表示されず利用できない状況)でした。また特定エリア(=特定アクセスポイント)だけの不具合申告であったため、迷わず機器の再起動を行い、5GHz帯のSSIDも正常に表示されたことから、この件に関しては一旦対応を終了としました。

    事象の再発...

    後日、別の利用者より同じエリアで無線LANが利用不可との申告があり、再度調査を実施したところ上記症状が再び再発していることが判明。今回もまた対処として、機器を再起動することで復帰はすると思いましたが、それ以外になにか原因(要因)があるのではと考え、もう少し調査を実施してみることに。

    2.4GHzの帯域について

    2.4GHz帯域は比較的広い範囲に信号を送信できるため、建物の壁や障害物を通りやすい特性があります。そのため、屋内での利用や広範囲に無線アクセスポイントを配置する場合に適しています。 ただし、2.4GHz帯域は多くの無線デバイスが利用しているため、同時に多数のデバイスが接続すると干渉が発生しやすく、通信速度が低下することがあります。

    5GHzの帯域について

    2.4GHz帯域にくらべて5GHz帯域は帯域幅が広いため、高速でデータを送信できます。これにより、高速通信が可能となり、ビデオストリーミングや大容量データの転送などに適しています。 一方で、5GHz帯域は信号が狭い範囲にしか届かないため、建物内での通信距離が短いという特性があります。また、障害物に弱く、壁などを通過しにくいという特性があります。 また5GHz帯域で特に留意すべき点もあり、電波の干渉に関してです。5GHz帯域では、気象レーダーや航空機レーダーなど、他の重要な用途にも使用されていると言う点です。そのため、無線LAN利用時にこれらのレーダー波との干渉を避ける必要があります。また総務省などの規制機関は、この問題に対処するためにDFS(Dynamic Frequency Selection)機能の使用も義務付けられているそうです。なお当社の無線LAN機器にも実装されている機能です。

    DFS(Dynamic Frequency Selection)機能について簡単にまとめてみる。

    DFS機能は、無線LAN機器に組み込まれている機能で、以下の主要な特徴を持っています。 レーダー波の検知とチャネル変更: DFS機能を搭載した__無線LAN機器は、気象レーダーや航空機レーダーの波を検知すると、自動的に通信チャネルを変更__します。これにより、レーダー波との干渉を最小限に抑えます。 チャネルを変更した場合、変更前のチャネルは30分間利用停止するそうです。チャネルを切り替えた後、再び干渉が発生しないかを確認するために、無線LAN機器は1分間スキャンを実行します。これにより、問題のないチャネルに安定して切り替えることができます。

    実際に誤検知もあるらしい

    DFS機能は、気象レーダーや航空機レーダーなどのレーダー波を検知し、自動的にチャネルを変更する役割を担っています。しかし、時折、実際にはレーダー波ではない別の信号を誤って検知し、チャネル変更を行ってしまうことがあります。

    チャネル変更の頻度はマチマチ

    DFS機能によるチャネル変更が過度に頻繁に行われる場合があります。これは、レーダー波を正確に検知せず、短時間で何度もチャネルを切り替えてしまうことが原因です。頻繁なチャネル変更は通信の安定性に影響を与える可能性があります。以下のログが示すように何度もチャネル変更が実施されることもよくあるようです。

    実査のDFS検知のログ

    DFSイベント

    DFS機能の不具合報告

    今回のケースでいうと、無線LAN機器のベンダーより、DFS機能における不具合報告(無線LAN機器はDFSの電波干渉を検知→自動的に安全なチャネルへ切替→通常通り利用可能になる)があり、結果的に5GHz帯域のSSIDが表示できない状態が発生したとのことでした。現在はファームアップ実施し安定して稼働しております。

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